今ではほとんどの牛乳が紙パック入りになりましたが、まだまだビン牛乳が全国の給食で活躍していた頃。平日の夕方に牛乳会社の方がとても困った様子で来社されました。
なんと、牛乳ビンに牛乳を充填する機械のギヤが欠けてしまい、今日中に修理しなければ、明日の給食の牛乳が間に合わないとのこと。
「地域の小中学生のために、どうか力を貸してください〜」
これは一大事!
持参されたギヤを確認したところ、ギヤの歯車部分の欠けが大き過ぎて正確なサイズが測定できません。辛うじて残ったギヤの歯車部分を測定し、不足分を想像しながら設計していきます。
「何とか牛乳充填設備に合致しますように!」祈るような気持ちで作業を続けました。
やっと完成した出来立てホヤホヤの歯車を持参し、遂に取り付けです。
歯車はピタリと噛み合い、機械が動きはじめました。牛乳が順調に充填されてゆきます。何より給食に間に合いそう!
一同安堵し、ふと時計を見ると明け方の3時になっていました。
何事も無かったかのように、ゴクゴク美味しそうに牛乳を飲む子供たちの姿を思い浮かべ、私たちの長い夜がやっと終わりました。